砂遊び


バケツとシャベルを握りしめ 砂のお家を作りました
小さな家族が住んでいて 庭を駆け回る子供と犬
通りを行き交う車の列 駅のあたりに高層ビル
如雨露で雨を降らせれば 街は黄金色に輝きました
いつまでも変わらない 僕の住む街の景色

誰かがバケツに躓いて 全ての色がただ流れてゆく
自棄を起こした子供のように 空に黒いペンキをぶちまけた

今まで心を委ねていた 景色を信じられなくなった
明日の空の色も 思い出せないまま陽は沈んだ
変わらないはずだった 僕の住む砂の街

砂場の縁をなぞりながら 落ちないように歩く
目を閉じてそして開いても 何も何も変わらない

バケツを握りしめて シャベルを深く突き立てている
あの日の風の匂いも 思い出せないまま陽が昇った
ただ如雨露に溜まっていく この涙を降らせれば
僕の住む砂の街は 黄金色に輝きだした


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